久しぶりに
今日読み終わった本
- 作者: 宮本常一,山本周五郎,揖西高速,山代巴
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1995/08/09
- メディア: 文庫
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この本は物語という名前であるが
一応ジャンルとしては歴史書ということになると思う。
1959年ごろに書かれたものの再版であるのだが、なかなか読みやすい。
この本は、初めから最後まで日本の近代(1900年ごろから第二次世界大戦直後)において虐げられ、搾取され、そして死に、忘れられていった人々の悲しい生で埋められている。当時極貧と呼ばれた人たちの生活とは、本当の貧しさとはどんなものだったのか。
貧しさから這い上がれぬ罠をはり、苦しみにあえぐ庶民たちを甘言を弄してこの世の地獄へと陥れた近代化という暗黒が、数多くの談話、資料によって浮き彫りにされる。
戦前、場所によっては戦後まで大阪、東京に存在した貧民窟(スラム街)。
14,5ほどで転落の道に陥り、その青春、そして人生を搾取された女工たち。
罠にはまり、北海道開拓の枕木となって酷使されたタコ部屋の人々。
地底の暗黒に捕らえられ、一生をその危険な職場と過重な労働に捕らえられた炭鉱の抗夫たち。
多くの人々の動物的な搾取の上に発展した社会が今の社会であると痛感させられる本であると思う。
ただし細民たちの暮らしのことさら悲しい面のみを選んで書いているような気もするところもあった。
彼らの文化的な側面については資料があまり残っていないのだろうか。
忘れられた人々とはそう言うものなのかもしれない。
やっとまともな文章をかけた気がする!
16日に四谷の方を歩いたのはこの本に関係がありますが
もちろんそれは俺だけの話で、実際の今の町には全く関係はなかったといっていい。